日英首脳、次期戦闘機の共同開発巡る協議の加速で一致…ＮＹで会談
9/21(水) 7:04配信
読売新聞オンライン
【ニューヨーク＝藤原健作、ロンドン＝池田慶太】
岸田首相は２０日午後（日本時間２１日未明）、ニューヨーク市内で英国のトラス首相と昼食を取りながら約１時間会談した。
両首脳は、両国による次期戦闘機の共同開発を巡る協議を加速する方針で一致した。ウクライナ情勢を巡っては、ロシアへの制裁とウクライナへの支援を継続することが重要との認識を確認した。
英首相官邸の発表によると、両首脳は、中国がもたらす「戦略的脅威」に共に取り組むことを申し合わせた。トラス氏は、中国軍が８月上旬に台湾周辺で行った大規模軍事演習を巡り、中国の挑発を非難した。
両首脳はまた、中国やロシアなどの権威主義体制による経済や安全保障の脅威に対処するため、志を同じくする民主主義国が協力する重要性も確認した。
岸田首相、トラス英首相と初会談 対露制裁継続を確認
2022/9/21 07:16
田中 一世
【ニューヨーク＝田中一世】岸田文雄首相は２０日午後（日本時間２１日未明）、国連総会出席のため訪れている米ニューヨークで、今月６日に就任したトラス英首相と初めて会談した。首相はエリザベス女王死去に「深い哀悼の意」を伝えた。両首脳はロシアのウクライナ侵攻に関し、「国際社会が結束して対露制裁とウクライナ支援を継続することが重要」との方針を確認した。
ウクライナ東部ドンバス地域の一部を実効支配する親ロシア派は、ロシアへの編入に向けた住民投票を２３～２７日に実施すると発表。両首脳は「ウクライナの主権と領土の一体性をさらに損なうもので、断じて受け入れられない」と非難した。
中国が軍事力を背景に一方的な現状変更の試みを続けている東・南シナ海情勢については「深刻な懸念」を共有した。中国の軍事演習で緊張が高まっている台湾情勢も議論したが、日本政府は内容を明らかにしていない。
安全保障協力の推進についても協議した。自衛隊と英軍が相互訪問する際の手続きを簡略化する「円滑化協定」の早期署名を目指す方針を改めて確認。航空自衛隊の次期戦闘機開発に関する日英協力の全体像の合意を目指し、協議を加速させることも確認した。
これらは５月、首相が当時のジョンソン英首相と合意しており、初会談のトラス氏との間では目立った進展はなかった。
首相は、地元・広島県の熊野筆の化粧筆を就任祝いとして贈呈し、トラス氏からはティーセットを贈られた。トラス氏は安倍晋三元首相の死去に弔意を表明した。
