公園廃止問題 存続求める地元住民有志が市に要望書を提出 荻原市長との対話の場求める
2023年1月24日 火曜 午後4:57
長野市の公園廃止問題の続報です。存続を求める地元の有志の会が長野市に要望書を提出しました。
青木島遊園地の存続を求める地元有志の会・金田要司会長：
「子どもたちの思い住民の思いがつまってます」
公園廃止問題 騒音対策後の苦情１回のみ 長野市決定の根拠揺らぐ 〈声のチカラ〉
2023/01/24 11:35
「子どもの声がうるさい」との苦情をきっかけに、長野市が同市青木島町大塚の公園「青木島遊園地」の廃止を決めた問題で、市の記録上、市が「騒音」対策を講じた２００９年度以降、隣接の児童センターが利用を控えるまでに寄せられた遊園地の「騒音」への苦情は２１年３月の１回だけだったことが２３日、市への取材で分かった。センター歴代館長も取材に、これ以外に苦情は受けていないとする。市は遊園地の利用実態についての「事実誤認」も認めており、市の公園廃止決定そのものの妥当性が揺らいでいる。
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たった１回の苦情は２１年３月２５日、近隣住民が児童センターを訪れ、遊園地で静かに遊ぶ方法を考えてほしい―と要請したものだった。
市はこれまで、「騒音」対策を講じた０９年以降も苦情が寄せられてきた―などと説明してきた。だが実際には、この間、記録に残すほどの苦情は寄せられていなかったことになる。
遊園地は０４年４月、児童センターと同時に開設。近隣の一部住民からは当初から、主に（１）遊園地で遊ぶ子どもの「騒音」、（２）児童センターを訪れる保護者の送迎車両―について苦情が寄せられた。
市は０８～０９年、遊園地に植栽などを設置。児童センターは子どもたちを学年ごとに遊ばせることとし、自家用車のアイドリングストップなど保護者への呼びかけも強めた。
こうした対策は奏功。遊園地の「騒音」に対する苦情は寄せられなくなった。ただ、一方で、エンジンをかけたまま駐車する保護者がいたり、時間帯によって児童センター周辺が混み合ったりすることがあり、送迎車両への苦情は続いた。
■内部文書の内容に誤り 「利用者ほぼなし」 実際は２０～３０人遊ぶ
青木島遊園地について、把握していた「騒音」の苦情は１回だけなのに、なぜ廃止するのか―。長野市公園緑地課の平沢智課長は取材に、改めて「遊園地の利用が実質的に困難だから」などと説明する。だが、市が把握していた利用実態と、取材に基づく実情には隔たりがある。
遊園地脇にある児童センターは、１０年以上、学年ごとに２０～３０人ずつ遊ぶよう工夫してきた。小林俊行館長は、唯一の苦情が寄せられた２０２１年３月までは「何も言われることなく、利用できた」と証言する。
にもかかわらず市公園緑地課は内部文書で、遊園地の利用者は１７年時点でほとんどいなかった―と記述していた。
こうした点を平沢課長にただすと、児童センターの子どもたちが２１年３月まで２０～３０人で遊んでいた実態を「知らなかった」と答えた。内部文書は遊園地を見回る職員らの情報に基づいており、実態は確認していなかったという。
市公園緑地課は昨年８月、遊園地を廃止するため、荻原健司市長に利用実態を報告したが、この際に市長に示された説明資料にも事実と異なる記述がされていた。
本紙「声のチカラ」（コエチカ）取材班は今回、市に情報公開請求し、市長への説明資料を入手。「（児童センターは）５人以下で遊ばせてきたが、その後も苦情を言われ、令和３（２０２１）年３月から一切遊ばせていない」と記述されていたことを確認した。
取材に、小林館長は「５人以下で遊ばせてきた事実はない」と断言。説明資料を作った担当者は「事実誤認だった」と認めた。
青木島遊園地の存廃について、荻原市長は「廃止の方針は変わらない」と繰り返しているが、その判断が事実誤認に基づいている可能性がある。
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コエチカが長野市の廃止方針を報じ、全国的に議論を呼んだ青木島遊園地。２５日付から市の廃止決定のプロセスを検証する連載を掲載します。
