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しばらくかかりそ。サグラダファミリアより遅くなるかも。

ウクライナ軍、待望の新型ロケット弾GLSDBを使い始める 米供与の新兵器

ウクライナ軍、待望の新型ロケット弾GLSDBを使い始める 米供与の新兵器

2/16(金) 13:00配信

 

ウクライナ軍の米国製新型ロケット弾「GLSDB(地上発射型滑空弾)」が戦闘で使われ始めたようだ。ロシアが2年前に拡大した戦争で、ウクライナ側が危機的な局面を迎えるなかでのことである。皮肉なことだが、同じく米国のロシアに同調する共和党議員らのせいで、ウクライナ軍は深刻な砲弾不足にあえいでいる。

 

重量約270kg、射程約150kmのGLSDBは、ウクライナ軍の155mm榴弾の不足を補う一助にはなるかもしれない。ただし、文字どおりほんの少しの助けだ。長距離攻撃用のロケット弾であるGLSDBは砲弾ではない。砲弾のように使うのは本来は浪費と呼ぶべきだろう。

 

GLSDBがウクライナ軍による攻撃で使われたらしい最初の証拠は、14日にネット上に現れた。箱に入れられたロケット弾の残骸の動画をロシア軍側が投稿し、そこにGLSDBの特徴的な尾翼の一部とみられるものも含まれていた。

 

ロシア側はこの残骸について、ウクライナ東部ルハンスク州クレミンナ周辺で13日にあった攻撃で使われたものだと主張している。この攻撃の目標は、クレミンナ近郊の集落ジトリウカのすぐ東にあったロシア軍のロケット発射機2基だった可能性がある。ウクライナ軍のドローン(無人機)は、これらの発射機が爆発し、巨大な火の玉が広がる様子を上空から観察していた。

 

実際にジトリウカでの攻撃にGLSDBが使われたのだとすれば、使用兵器の選択としては奇妙に思われる点もある。ジトリウカはクレミンナ方面の前線からわずか数kmしか離れておらず、なぜこれほど近い距離の攻撃に射程が150kmほどもある長距離攻撃用の弾薬を浪費したのかという疑問が浮かぶからだ。

 

斟酌すべき事情があったのかもしれない。たとえば、ロシア側のロケット発射機群を攻撃するのに、たまたま適切なタイミングで適切な場所にGLSDBの発射機があったので、急に発射したのかもしれない。あるいは、GLSDBを不釣り合いな距離で使わざるを得ないほど、ウクライナ側の付近の野砲は砲弾が不足していたのかもしれない。

 

米議会共和党ウクライナへの支援を妨害しているために、ウクライナ軍の砲兵が1日に発射する砲弾数はわずか2000発程度と、おそらくロシア側の5分の1の水準に落ち込んでいる。

 

GLSDBに関してウクライナにとって幸運だったのは、米国のジョー・バイデン政権が1年前、つまり下院共和党がごくわずかな差で多数派を占めるのを利用して支援を妨げ始める前に、ウクライナ向けにGLSDBを開発するための資金を米ボーイングとパートナーのスウェーデンのサーブに支出していたことだ。

 

契約額は3300万ドル(約49億円)だった。有翼の滑空爆弾であるGBU-39小直径爆弾(SDB)と、余剰になったM26ロケットモーターを組み合わせたGLSDBは、1発4万ドル(約600万円)と安上がりだ。

 

3300万ドルの大半が開発費に費やされていなければ、ウクライナはGLSDBを数百発取得できるかもしれない。


--{ GLSDBのようなロケット弾は砲弾と用途が異なり、代用品にならない}--
GLSDBは、どのようなトラックでも牽引できる特殊なコンテナから発射されるようだ。サーブによれば、装軌のM270多連装ロケットシステム(MLRS)や装輪の高機動ロケット砲システム(HIMARS)からも発射できる。ウクライナ軍はM270とHIMARSをそれぞれ十数基保有している。

 

とはいえ、GLSDBがたとえ500~600発あっても、155mm砲弾の代えにはならない。単純に数量でいっても、支援国から十分な供給があればウクライナ軍が発射する砲弾数は1日でその10倍にのぼるからだ。

 

ほとんどの155mm砲弾は無誘導で、射程もせいぜい25kmほどしかなく、搭載されている炸薬も11kg程度だ。それに対してGLSDBはGPS全地球測位システム)で誘導され、射程は6倍、炸薬量は8倍ある。

 

野砲などから撃ち出される砲弾は、敵部隊が攻撃の数時間前、前線から数km後方の開けた場所に集結し、接触線の方向に移動を開始する際に最も威力を発揮する。数十発の砲弾の弾幕は数千平方mの範囲で車両を破壊したり、歩兵を殺害したりできる。

 

対照的に、GLSDBが最も威力を発揮するのは、前線からかなり離れた場所の「点目標」を攻撃する場合だ。具体的に言えば、補給基地や弾薬庫、司令壕、防空レーダーなどである。これらの拠点はあまり目立たないながら、ロシアの戦争努力全体にとっては重要なものだ。

 

つまり、砲弾は前線近くの広範なエリアで敵の戦闘部隊を日々つぶすのに用いられ、GLSDBのような長距離攻撃用の弾薬は補給や指揮のネットワークなど、機械戦の基盤インフラをピンポイントでたたくのに使われるものだということだ。

 

ウクライナ軍は今回、前線からわずか数kmの距離にあったロシア側のロケット発射機に対してGLSDBを発射したのかもしれないが、いずれにせよGLSDBによる短距離攻撃が多く行われるとは考えないほうがよい。GLSDBはそうした攻撃用の兵器ではないのだ。

 

GLSDBがウクライナの戦場に到着したからといって、ウクライナ軍で深刻化する砲弾不足問題の解決にはたいして役に立たないのが実情だ。

 

GLSDBのようなロケット弾は砲弾と用途が異なり、代用品にならない


ウクライナ軍の米国製新型ロケット弾「GLSDB(地上発射型滑空弾)」が戦闘で使われ始めたようだ。ロシアが2年前に拡大した戦争で、ウクライナ側が危機的な局面を迎えるなかでのことである。皮肉なことだが、同じく米国のロシアに同調する共和党議員らのせいで、ウクライナ軍は深刻な砲弾不足にあえいでいる。

 

重量約270kg、射程約150kmのGLSDBは、ウクライナ軍の155mm榴弾の不足を補う一助にはなるかもしれない。ただし、文字どおりほんの少しの助けだ。長距離攻撃用のロケット弾であるGLSDBは砲弾ではない。砲弾のように使うのは本来は浪費と呼ぶべきだろう。

 

GLSDBがウクライナ軍による攻撃で使われたらしい最初の証拠は、14日にネット上に現れた。箱に入れられたロケット弾の残骸の動画をロシア軍側が投稿し、そこにGLSDBの特徴的な尾翼の一部とみられるものも含まれていた。

 

ロシア側はこの残骸について、ウクライナ東部ルハンスク州クレミンナ周辺で13日にあった攻撃で使われたものだと主張している。この攻撃の目標は、クレミンナ近郊の集落ジトリウカのすぐ東にあったロシア軍のロケット発射機2基だった可能性がある。ウクライナ軍のドローン(無人機)は、これらの発射機が爆発し、巨大な火の玉が広がる様子を上空から観察していた。

 

実際にジトリウカでの攻撃にGLSDBが使われたのだとすれば、使用兵器の選択としては奇妙に思われる点もある。ジトリウカはクレミンナ方面の前線からわずか数kmしか離れておらず、なぜこれほど近い距離の攻撃に射程が150kmほどもある長距離攻撃用の弾薬を浪費したのかという疑問が浮かぶからだ。

 

斟酌すべき事情があったのかもしれない。たとえば、ロシア側のロケット発射機群を攻撃するのに、たまたま適切なタイミングで適切な場所にGLSDBの発射機があったので、急に発射したのかもしれない。あるいは、GLSDBを不釣り合いな距離で使わざるを得ないほど、ウクライナ側の付近の野砲は砲弾が不足していたのかもしれない。

 

米議会共和党ウクライナへの支援を妨害しているために、ウクライナ軍の砲兵が1日に発射する砲弾数はわずか2000発程度と、おそらくロシア側の5分の1の水準に落ち込んでいる。

 

GLSDBに関してウクライナにとって幸運だったのは、米国のジョー・バイデン政権が1年前、つまり下院共和党がごくわずかな差で多数派を占めるのを利用して支援を妨げ始める前に、ウクライナ向けにGLSDBを開発するための資金を米ボーイングとパートナーのスウェーデンのサーブに支出していたことだ。

 

契約額は3300万ドル(約49億円)だった。有翼の滑空爆弾であるGBU-39小直径爆弾(SDB)と、余剰になったM26ロケットモーターを組み合わせたGLSDBは、1発4万ドル(約600万円)と安上がりだ。

 

3300万ドルの大半が開発費に費やされていなければ、ウクライナはGLSDBを数百発取得できるかもしれない。


--{ GLSDBのようなロケット弾は砲弾と用途が異なり、代用品にならない}--
GLSDBは、どのようなトラックでも牽引できる特殊なコンテナから発射されるようだ。サーブによれば、装軌のM270多連装ロケットシステム(MLRS)や装輪の高機動ロケット砲システム(HIMARS)からも発射できる。ウクライナ軍はM270とHIMARSをそれぞれ十数基保有している。

 

とはいえ、GLSDBがたとえ500~600発あっても、155mm砲弾の代えにはならない。単純に数量でいっても、支援国から十分な供給があればウクライナ軍が発射する砲弾数は1日でその10倍にのぼるからだ。

 

ほとんどの155mm砲弾は無誘導で、射程もせいぜい25kmほどしかなく、搭載されている炸薬も11kg程度だ。それに対してGLSDBはGPS全地球測位システム)で誘導され、射程は6倍、炸薬量は8倍ある。

 

野砲などから撃ち出される砲弾は、敵部隊が攻撃の数時間前、前線から数km後方の開けた場所に集結し、接触線の方向に移動を開始する際に最も威力を発揮する。数十発の砲弾の弾幕は数千平方mの範囲で車両を破壊したり、歩兵を殺害したりできる。

 

対照的に、GLSDBが最も威力を発揮するのは、前線からかなり離れた場所の「点目標」を攻撃する場合だ。具体的に言えば、補給基地や弾薬庫、司令壕、防空レーダーなどである。これらの拠点はあまり目立たないながら、ロシアの戦争努力全体にとっては重要なものだ。

 

つまり、砲弾は前線近くの広範なエリアで敵の戦闘部隊を日々つぶすのに用いられ、GLSDBのような長距離攻撃用の弾薬は補給や指揮のネットワークなど、機械戦の基盤インフラをピンポイントでたたくのに使われるものだということだ。

 

ウクライナ軍は今回、前線からわずか数kmの距離にあったロシア側のロケット発射機に対してGLSDBを発射したのかもしれないが、いずれにせよGLSDBによる短距離攻撃が多く行われるとは考えないほうがよい。GLSDBはそうした攻撃用の兵器ではないのだ。

 

GLSDBがウクライナの戦場に到着したからといって、ウクライナ軍で深刻化する砲弾不足問題の解決にはたいして役に立たないのが実情だ。

 

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