2022年3月16日 23:50 | 2022年3月17日 2:22 更新
16日午後11時36分ごろ、宮城県と福島県で震度6強の地震があった。気象庁によると震源地は福島県沖で、震源の深さは約60キロ。地震の規模はマグニチュード(M)7・3と推定される。宮城、福島両県の消防によると、救急要請が次々と入り、相馬市ではけが人が多数出ている。市内の病院への搬送も相次いでいる。
震度6強の地震の直前にも宮城県などで強い揺れがあった。気象庁は宮城県と福島県に津波注意報を出した。同庁によると、17日午前0時29分、宮城県の石巻港で20センチの津波を観測した。宮城、福島両県をはじめ東北や関東、中部、関西など広い範囲で揺れが観測された。
東北、山形、秋田、上越、北陸の各新幹線は運転を見合わせた。JR東日本新幹線統括本部によると、地震の影響で東北新幹線福島-白石蔵王間で下り仙台行きのやまびこ223号が脱線した。場所は白石蔵王駅から福島方向に約1~2キロの地点。約100人の乗客と乗員にけが人はいない。17日の運行は未定。
東北電力ネットワークによると、17日午前1時半現在、管内5県の計15万1500戸が停電。内訳は福島9万2400戸、宮城4万8200戸、青森9100戸、岩手1600戸、新潟200戸。東京電力パワーグリッドによると、東電管内で約208万件の停電が発生し、うち東京都は約70万件。
東北電によると、いずれも停止中の女川原発(宮城県女川町、石巻市)と東通原発(青森県東通村)に異常は確認されていない。東電によると廃炉作業中の福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)に異常は確認されていない。原子力規制庁によると、福島第2原発(同県楢葉町、富岡町)1号機で使用済み核燃料プールの冷却が止まった。3号機も一時停止したが復旧した。プールの水温が65度に上昇するまで約7日間の余裕があるとしている。
政府は首相官邸の危機管理センターに官邸対策室を設置した。官邸入りした岸田文雄首相は(1)状況把握に努める(2)政府一丸となって救命救急に当たり、被災者に全力で対応(3)的確な情報提供-の3点を指示したと明らかにした。
各地の震度は次の通り。
震度6強=登米米山、登米南方、登米迫、蔵王(宮城)相馬、南相馬鹿島、国見(福島)
▽震度6弱=石巻大街道南、名取、角田、岩沼、登米豊里、栗原築館、東松島、大崎、大河原、川崎、亘理、涌谷(宮城)福島市役所、二本松針道、田村、南相馬、伊達前川原、桑折、天栄、楢葉、富岡、大熊、双葉、浪江、新地、飯舘(福島)
▽震度5強=一関竹山、奥州前沢、矢巾(岩手)仙台、石巻、塩釜、多賀城、登米、丸森、松島、女川(宮城)中山(山形)福島、郡山、いわき、須賀川、二本松、南相馬原町本町、伊達月館、本宮、川俣、鏡石、棚倉、川内、葛尾村役場(福島)