Bloomberg、1/24(水) 5:06配信
(ブルームバーグ): トルコ議会は数カ月にわたる審議を経て、スウェーデンの北大西洋条約機構(NATO)加盟を承認した。これでスウェーデンの加盟を認めていないのはハンガリーだけになった。
トルコ議会本会議で承認されたスウェーデンの加盟文書は、この後エルドアン大統領の署名を経て、米国務省に提出される。
スウェーデンはNATO加盟に近づいた。同国は2022年5月、それまでの防衛方針を転換しNATO加盟を申請。ロシアのウクライナ侵攻を踏まえ、スウェーデンはロシアの侵略を抑止する最善の方策がNATO加盟だとの結論に至った。隣国のフィンランドは昨年4月にNATO加盟を果たしている。
NATO加盟には全加盟国の批准が必要で、トルコの反対によりスウェーデンの加盟プロセスは遅れていた。トルコはスウェーデンがクルド労働者党(PKK)などトルコ国内で非合法組織とされている分離主義勢力の取り締まりを強化すべきだと主張してきた。
これに対しスウェーデン政府はNATO加盟基準を満たしていると主張する一方で、新たな反テロ法を制定したほか、トルコへの武器禁輸を解除した。
ハンガリーに関してもスウェーデンのNATO加盟を承認する兆候が見られた。ハンガリーのオルバン首相はX(ツイッター)への投稿で、NATO加盟に向けた協議を行うためにスウェーデンのクリステション首相を自国に招いたと明らかにした。
トルコはスウェーデンの分離主義勢力の問題に加え、戦闘機に関するより複雑な地政学的な問題を抱えていた。
トルコは2021年以来、ロッキード・マーチン製の最新型F16「ブロック70」40機と、現在保有しているF16向けの近代改修キット79機分の購入を図ってきた。バイデン米大統領は、トルコがスウェーデンのNATO加盟を承認することをこれら戦闘機の売却の前提条件としており、エルドアン大統領もこの2つの問題を結びつけてきた。
原題:Turkish Parliament Votes to Ratify Sweden’s Entry Into NATO(抜粋)
--取材協力:Zoltan Simon、Niclas Rolander.
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