発災からの災害救助を量と質とに分けて、類似の災害と比較した場合(熊本地震や東日本大震災が多いのだろうか)、地形や道路/鉄道状況その他の理由で、量的に同じ規模を送り込むのは難しいとしても、質的に(とりわけ発災からのごく初期に、空路その他を前提として)海外からの支援を受け入れることはできなかったのか、とは、今でも思ってしまうわな。
(自衛隊、米軍共にオスプレイの状況は報道の通りだとしても、それ以外の国内外、回転翼を中心とした航空面からの支援の可能性はどのようなものだったのか、などと。)
能登半島中の道路ずたずた 「くしの歯作戦」も復旧見通し立たず
毎日新聞、1/8(月) 19:20配信
能登半島地震で、被災地は救助やインフラ復旧の遅れ、不十分な医療や支援物資、孤立状態など、さまざまな苦境に直面している。それらの目詰まりの主因は、半島の道路寸断だ。政府は道路を切り開く作戦を急ピッチで展開している。
能登半島地震の被災地で道路の復旧が遅れているのは、地域交通の核となる道路を含め、半島全体の道路が大きなダメージを受けたためだ。国は東日本大震災で実施した、復旧活動の軸になる道路を起点に緊急輸送道路を確保していく「くしの歯作戦」を進めている。しかし、被害は広範囲に及んでいて復旧の見通しは立っていない。
国土交通省によると、石川県内の高速道路や国道・県道など主要道路は、8日時点で87区間が通行止めになっている。各地で道路の陥没が確認された他、道路脇の山から崩れてきた土砂が路面を塞いでいるところが多く、政府関係者は「半島全体が大きな被害を受けている」と説明する。
国交省などは地震発生後、消防や警察など緊急車両が通れるようにする「道路啓開(けいかい)」に着手。重機などを使い、夜通しで土砂の撤去や陥没した道路の補修に取り組んでいる。4日には珠洲市や輪島市、能登町の中心部まで大型車が通行できるようになったが、片側交互通行で一般車などが集中し渋滞を引き起こしている。
2011年の東日本大震災では、比較的被害が少なかった内陸部を南北に縦断する東北自動車道と国道4号を起点とし、太平洋沿岸につながる何本もの道路を切り開く「くしの歯作戦」が展開され、復旧の足がかりになった。
国交省は今回の地震でも同作戦にならい、半島北部の内陸を通る珠洲道路で応急処置を実施。そこを起点として海側に向けて道路を切り開く作業を進め、8日までに6路線で沿岸部まで車が通れるようになった。同省の担当者は「車の乗り心地は悪くても、とにかく最低限通れるレベルを目指している」と語る。
並行して、自衛隊が孤立集落へつながる道を塞いでいる土砂の撤去などを進めている。防衛省は道路の復旧状況をみながら、被災地に投入する人数を増やしていく方針。
さらに国は、県に代わって、県が管理する道路の工事をする「権限代行」の仕組みも活用する。県の要請を受けたもので、国道249号や自動車専用道路「のと里山海道」が対象になる見通しだ。
能登半島では航空路の制限も続く。能登空港(輪島市)は滑走路に長さ10メートル以上の亀裂が4、5カ所確認された。現在は孤立住民の輸送にあたる自衛隊ヘリなどが発着しているが、民間機が運航可能になるのは早くとも25日以降になると見込まれている。【島袋太輔、菅野蘭】