艤装してます

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しばらくかかりそ。サグラダファミリアより遅くなるかも。

4分の1を東京都、東京都民が負担するなら、大いに口を出すべき


戌HKは大晦日まで ”tooto” のゴリ押しなんだそうで。

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新国立競技場 東京都が4分の1、約400億円負担

2016年1月10日

整備費の5割超はスポーツ振興くじの収益金

 2020年東京五輪パラリンピックの主会場となる新国立競技場(東京都新宿区)の整備費を巡り、政府と東京都は昨年12月、国が半額、都が4分の1をそれぞれ負担し、残る4分の1は事業主体の日本スポーツ振興センター(JSC)が販売するスポーツ振興くじ(toto)の収益金を充てることで合意した。財源の枠組みが決まり迷走したスタジアムの建設が動き出す。だが、「国立」にもかかわらず都が約400億円を担うことへの反対論もあり住民訴訟の可能性も否定できない。また、国費分も加え整備費の5割超をtotoに頼る格好となり、その売り上げの維持・拡大も課題となっている。

 「新国立競技場が大会の成功に必須のメインスタジアムであることや、大会後の東京において多様なレガシー(遺産)を残す存在となること、都民に末永く多くの便益をもたらすことを踏まえて、この財源案について合意をしたい」。舛添要一知事は12月1日、都内で遠藤利明五輪担当相、馳浩文部科学相と会談し、競技場整備で国に協力する考えを示した。

 今回合意された負担割合は、次のようなものだ。旧整備計画の白紙撤回後、昨年8月に決まった整備計画の総工費上限は本体工事費と周辺整備費を合わせて1550億円。国や都によると、これに旧競技場解体工事費55億円と設計・監理費40億円を加えた計1645億円のうち、隣接の都立施設と競技場を連結するデッキ整備費37億円を都が負担し、上下水道工事費27億円は受益者負担として事業主体のJSCが担うこととした。

 その上で、この2経費を差し引いた1581億円を「分担対象経費」とし、国が半額の791億円程度を負担する。4分の1に当たる395億円程度を都が担い、残る4分の1はJSCが販売するtotoの収益金を充てることになった。周辺整備分も含めると都の負担額は432億円程度となる。

 この負担割合については、他の公共事業を参考にした。国が直接管理する国道の整備では国が費用の3分の2を負担し、残る3分の1を都道府県が担う仕組みとなっており、これに沿う形で都が国の2分の1を負担することに一定の合理性があると判断したという。今後、賃金や物価などの上昇で工事費がかさんだ場合も、この「2対1対1」の割合で負担し合う。

 競技場の整備費の負担を巡っては、舛添氏が一時、国に激しく反発した経緯がある。昨年5月、下村博文文科相(当時)が「競技場は東京のど真ん中、都民のスポーツ振興にもなる」と都に約500億円の支援を要請。これに対し、舛添氏は「都民が後で使えるレガシーなら協力は惜しまない」としつつ、「全体のコストがどうなって、どの部分は東京でやらないといけないのか分からない。500億円もの税金を都民に払えと言う以上、きちんとした根拠がないといけない」と語気を強めた。当時、建設資材の高騰を背景に当初見込みから大幅なコスト上昇が懸念されていた。

 舛添氏の反発の背景には、新国立競技場建設を巡って批判もある中、都税を投入すれば法的リスクを抱えかねないという事情があった。自治体が違法・不当な公金支出をしたと住民が考えた場合、監査委員に是正を求めることができ(住民監査請求)、退けられても裁判(住民訴訟)を起こすことができる。首長や職員個人が賠償責任を負うこともあり、国の支出にはない制度だ。都側には、国が都の負担ありきで議論を進めることへの不満が漂い、「国は我々の法的リスクをなかなか理解してくれない」(都幹部)との声も漏れる。

 そもそも、都税投入は「国は自治体に対し、自治体に権限のない事務の経費を原則負担させてはいけない」とした地方財政法に抵触する恐れがある。このため、政府は都の負担に法的根拠を与えるため、JSC法改正案を今年の通常国会に提出する方針。都の負担を義務化する規定を設け、法的リスクという都側の懸念の払拭を図る。

 しかし、今回の財源負担を巡っては、既に懸念の声も出ている。16年大会の東京招致に都幹部として携わった鈴木知幸・順天堂大客員教授(スポーツ行政論)は毎日新聞の取材に「公共工事費は(当初見込みより)必ず増える。都は相当、負担増を押しつけられる可能性がある」と指摘。都関係者から「国が地方自治体に財源の負担を押しつける前例にされるのではないか」と危惧する声もある。

 建て替えでなく旧競技場の改修を訴えてきた市民団体「神宮外苑と国立競技場を未来へ手わたす会」も、都の財政負担に反対する声明を発表した。声明では、競技場南側にある現在の都立明治公園が競技場の敷地となることについて、「憩いの場である公園を、巨大な競技場建設のために提供することは都民の利益に反する」と指摘。さらに、その南側に建つ都営団地「霞ケ丘アパート」が取り壊されて公園となることを踏まえ、「強制的に移転を迫り、住む権利を侵害している」と批判する。そのうえで「無制限に都の負担が増えていく今回の合意に反対するとともに、自治体の負担を法律でしばる法の改悪にも反対する」と訴えている。

 同会メンバーで景観問題に詳しい日置雅晴弁護士は毎日新聞に「都民からすると、どれだけ負担が増えるか分からない。疑問を持って監査請求をする人が出てくるかもしれない」と話している。

 また、全体の財源についても課題がある。今回の合意で国の負担となった791億円のうち359億円は既に国の支出が決まっているが、残る432億円分もtotoの収益で賄うことになった。全体の4分の1に相当する395億円程度もtotoの収益を充てることから、半額を超える827億円が「toto頼み」という財源のスキームになっている。このため、totoの売り上げが落ちれば財源確保が難しくなり、専門家からは「綱渡りの運用だ」と指摘する声もある。

http://mainichi.jp/articles/20160107/org/00m/010/033000c