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JAXA月着陸機「SLIM」驚異の2度目の越夜に成功、マイナス170度を生還し通信を再開する快挙

 JAXA月着陸機「SLIM」驚異の2度目の越夜に成功、マイナス170度を生還し通信を再開する快挙

SLIM月着陸時の撮影画像©JAXA/タカラトミー/ソニーグループ/同志社大学

3月28日、JAXAはSLIMが二度目の越夜に成功したと発表しました。海外の月着陸機が越夜できずに運用を終了している中、決して越夜可能な設計ではなかったSLIMが成し遂げた偉業について解説していきます。

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■驚異の2度目の越夜に成功

3月28日、JAXAはSLIMが二度目の越夜に成功したと発表しました。そして、搭載カメラにより月面を撮影した画像の取得にも成功しています。一方で、温度センサーやバッテリーにも不調が見られているとの事です。

SLIMは搭載質量やサイズ、消費電力の観点などから、越夜に対応できる設計にはなっておらず、2度目の復活ができるかどうか注目が集まっていました。月の越夜は技術的に難しいことでも有名です。なぜなら、月面の温度差は非常に激しく、日照は約110度、日陰はマイナス170度と、なんと300度近い温度差があるのです。

さらに、海外の月着陸機では2023年8月に成功したインドの「チャンドラヤーン3号機」、2024年2月に成功したアメリカ インテュイティブ・マシンズ社の「Nova-C」は越夜ができず運用を終了しています。そんな中、2度の越夜に成功したSLIMは驚異的な成果と言えるでしょう。

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この貴重なデータはJAXAが2025年度に予定している月極域探査計画「LUPEX」にも活用できることが期待されます。

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2度目の越夜後にSLIMが撮影した月面の風景©JAXA
2度目の越夜後にSLIMが撮影した月面の風景©JAXA

 

■1月20日の月面着陸からSLIMの状況をおさらい

SLIMは1月20日に月面のSHIOLIクレーターへの着陸に挑戦し、見事成功しました。月への着陸したのは日本として初めてであり、世界ではアメリカ、ソ連、中国、インドに続き、5か国目に月着陸を成功させた国となりました。

SLIMは、月面着陸後に正常通り太陽電池による発電ができず、一旦電源をオフにしましたが、1月28日に太陽光が照射されたことにより発電が再開されたことが確認されました。その後、1月31日には月の夜が始まり、太陽電池での発電ができなくなることからSLIMは休眠モードに入ります。

そして2月25日、SLIMは地球からの通信に応答し、1度目の月面での越夜に成功したのでした。しかし、マルチバンド分光カメラは起動に成功しましたが、正常に動作はしておらず、徐々に搭載機器に不具合が出始めている状況でした。そして、今回の2度目の越夜を達成したのです。

 

今後もSLIMは非常に過酷な環境で運用を続ける訳ですが、今後の月探査に役立つ貴重なデータを引き続き取得して欲しいですね。

 

news.yahoo.co.jp