毎日新聞5/29(月) 4:53配信
トルコ大統領選の決選投票が28日、投開票された。選管によると、与党・公正発展党を率いるエルドアン大統領(69)が過半数の票を獲得し、勝利する見通しとなった。エルドアン氏は2003年から約20年間にわたって国を統治しているが、さらに5年間、トルコのかじ取りを担う。
記事詳細へ
大統領選には計4人が立候補した。第1回投票でエルドアン氏は約49・5%、野党統一候補で共和人民党のクルチダルオール党首(74)は約44・9%の票を得たが、共に過半数に達しなかったため、決選投票が実施された。
エルドアン氏は橋や道路などのインフラ整備や、防衛産業の育成など約20年間の実績をアピール。2月に起きたトルコ・シリア地震を巡っては、早期の住宅再建などを約束し、被災地の住民からも支持を取り付けた。また、トルコと敵対するクルド人の非合法組織「クルド労働者党」(PKK)の脅威を強調。クルド系政党の支持を受けたクルチダルオール氏を「テロの協力者」と非難し、右派からも支持を得た。
クルチダルオール氏は、強権政治で知られるエルドアン氏に対抗するため、野党6党が統一候補として選出。ロシアを重視する現政権の外交方針から親欧米路線への転換や、高いインフレ率に国民が苦しむ経済状況の立て直し、大統領制から議院内閣制への変更などを主張していた。しかし、6党の足並みが乱れたほか、地方を中心としたエルドアン氏の支持層を崩すことができず、及ばなかった。【アンカラ三木幸治】
朝日新聞デジタル5/29(月) 2:35配信
中東の地域大国トルコの大統領選の決選投票が28日に投開票され、高等選挙委員会は同日夜、レジェップ・タイップ・エルドアン大統領(69)が勝利したと発表した。
エルドアン氏は「今後の5年間、国を率いる責任を再び与えてくれたすべての国民に感謝する」と述べ、勝利宣言を行った。経済の混乱や2月に起きた大地震への対応で批判を浴びてきたが、支持層を着実に固めた。任期は5年間。トルコは欧米諸国と軍事同盟関係にありながら、ロシアによるウクライナ侵攻では仲介役として動いており、今後も独自の外交姿勢を続けるとみられる。
記事詳細へ
高等選挙委員会によると、開票率99・43%で、エルドアン氏の得票率が52・14%、野党6党の統一候補ケマル・クルチダルオール氏(74)が47・86%となった。
エルドアン氏は最大都市イスタンブールの自宅前で、支持者らにバスの屋根の上から演説。「我々はこれまでもそうであったように、あなたたちの信頼に応えていく」と訴えた。
今回の大統領選には計4人が立候補(1人はその後に撤退)した。
14日の第1回投票では、得票率首位のエルドアン氏=49・52%=と、2位のクルチダルオール氏=44・88%=がいずれも当選に必要な得票率50%を超えず、2人による決選投票に持ち込まれた。