うるま女性不明 米軍属の男逮捕 遺棄容疑、恩納で遺体

琉球新報 5月20日(金)5時4分配信

　うるま市大田の会社員島袋里奈さん（２０）が４月２８日から行方不明になっている事件で県警は１９日、与那原町の米軍属のシンザト・ケネス・フランクリン容疑者（３２）を死体遺棄容疑で逮捕した。シンザト容疑者は「動かなくなった女性を雑木林に捨てた」と供述した。県警はシンザト容疑者の供述に基づき、恩納村の県道１０４号沿いで女性の遺体を発見した。遺体は歯形や歯の治療痕から島袋さんと確認された。県警によると、シンザト容疑者は島袋さんの殺害をほのめかすような供述をしており、殺人の容疑も視野に捜査を進めている。県警は１９日、うるま署に渡真利健良刑事部長を本部長とする殺人・死体遺棄事件特別捜査本部を設置し、８８人体制で捜査を進めている。
　島袋さんの遺体は県道から約１０メートル入った雑木林に置かれるようにして遺棄されていて、部分的に白骨化している。県警は２０日に琉球大学病院で司法解剖をし、死因などを特定する方針。遺体は上着と短パンのような服を身に着けているが、靴は発見されていない。
　県警は島袋さんの失踪した時間帯に周辺を通行していた車約３００台を１台１台照合する捜査を実施した。１６日にシンザト容疑者に捜査員が接触した際、失踪への関与を否認したが震えるような動揺した様子を示したことから、重要参考人として任意で事情を聞いていた。捜査関係者によると、１６日に事情聴取した後に睡眠剤を過剰に摂取し救急搬送されたという。
　１８日にシンザト容疑者が任意で提出した車両の内部から島袋さんのＤＮＡが検出され、１９日に関与を認める供述を始め、遺棄現場に捜査員を案内した。
　シンザト容疑者は４月２８日夜に、島袋さんの自宅があるうるま市大田周辺から金武町方面へ走行し、その後２９日午前２時ごろにうるま市州崎に立ち寄っている。県警によると、島袋さんとシンザト容疑者の接点は確認されていないという。県警は、どこで島袋さんと接触したかや殺害の具体的な手段などについて「今後の捜査で解明する」としている。
　シンザト容疑者は元米海兵隊員で、現在は米空軍嘉手納基地でインターネット関係の仕事をしている。
　水上正史沖縄担当大使と井上一徳沖縄防衛局長が２０日午前、ローレンス・ニコルソン在沖米四軍調整官とジョエル・エレンライク在沖米総領事が２０日午後、県庁に安慶田光男副知事らを訪ね、事件について謝罪する。
　県警によると復帰後、２０１５年末まで、県内での米軍構成員による凶悪犯罪の件数は、５７４件発生している。

琉球新報社
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