NATO事務総長が来日へ
2023/1/23 20:44
政府は23日、北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長が30日~2月1日に来日すると発表した。滞在中に岸田文雄首相と会談し、ウクライナ侵攻を続けるロシアへの対応で連携強化を確認する見通し。
ギリシャのミツォタキス首相が1月28~31日に来日し、岸田氏と会談する日程も公表した。
NATOによると、ストルテンベルグ氏は2月1日に慶応大で講演する。来日に先立ち、1月29~30日の日程で韓国を訪れ、朴振外相ら高官と面会する。
木原誠二官房副長官は23日の記者会見で、NATOは「基本的価値や戦略的利益を共有するパートナーだ」と強調。「自由で開かれたインド太平洋」の実現や、法の支配に基づく国際秩序の維持に向けた協力強化に期待を示した。
ミツォタキス氏は滞在中、秋篠宮ご夫妻と会見する予定。
NATO事務総長が来日 岸田首相らと会談 日本とNATOの関係強化へ
2023年1月30日 7時30分
NATO=北大西洋条約機構のストルテンベルグ事務総長が30日から来日し、ロシアと中国が連携を深めるなか、日本とNATOの関係強化について意見を交わす見通しです。
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欧米の主要国を中心に30か国が加盟する世界最大の軍事同盟・NATOのストルテンベルグ事務総長は、30日から3日間の日程で日本を訪れ、岸田総理大臣などと会談する予定です。
ウクライナで軍事侵攻を続けるロシアと軍備の増強を進める中国が連携を深めるなか、NATOは、日本などインド太平洋地域の民主主義の国々と協力関係を強化するため、日本と意見を交わす見通しです。
去年6月、スペインで行われたNATOの首脳会議には、岸田総理大臣が日本の総理大臣として初めて出席しました。この首脳会議で採択された「戦略概念」と呼ばれる文書で、NATOは「インド太平洋地域での状況の推移は、北大西洋の安全保障に直接、影響を及ぼしうる」としたうえで、「インド太平洋はNATOにとって重要だ」という認識を示しています。
今回の訪日について、NATOを主導するアメリカの政府高官はNHKの取材に対し「地域をこえて共通するさまざまな課題や、安全保障上、重要な問題に対処するための取り組みが、事務総長の訪日以降、続くことになるだろう」とコメントし、日本とNATOの今後の関係強化に期待を示しました。
専門家「さまざまな側面で協力が強化」と評価
NATO=北大西洋条約機構と日本などインド太平洋地域の民主主義の国々との関係について、ヨーロッパの安全保障政策に詳しいブリュッセル自由大学安全保障外交戦略研究所のルイス・シモン所長は「さまざまな側面で協力が強化されている」と評価しました。
具体的には「ロシアに対して、規範や国際法、それに秩序を支持するパートナーが、世界には数多くいることを示すもので、政治的な面で関係強化に弾みがついている」と述べ、ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアに対抗する意味があると指摘しました。
さらに「サイバー空間や宇宙空間、革新的な技術など、地域にしばられない実務的な側面での協力もある」と述べ、今後日本とNATOの協力関係が幅広い分野で進むとの見方を示しました。