レニ港はロシアのウクライナ侵攻後も稼働を続ける数少ない港の1つで、2022年の貨物取扱量は前年比6.5倍となる680万トンに急増した。レニ港ではこれまで主に穀物、石油製品、化学品、肥料、金属などのバルク貨物が扱われてきたが、2022年12月にはコンテナターミナル「ビキング・アリアンス」が稼働した。
海運大手マースク、ウクライナのレニ港への輸送サービスを開始
(ウクライナ、ルーマニア)
欧州ロシアCIS課
2023年03月16日
デンマーク海運大手APモラー・マースクは3月6日、ルーマニアのコンスタンツァ港からウクライナ南西部のドナウ川沿いにあるレニ港への週次バージ(はしけ)輸送サービスを開始したと発表した。輸送はコンスタンツァ・ドナウ運河経由と黒海経由の2つのルートで行われ、輸送期間は1日半。
レニ港は、ドナウ川沿いにあるウクライナの港のうち最大の港で、年間貨物取り扱い能力は1,450万トン。ウクライナ、ルーマニア、モルドバの国境付近に位置し、交通の要衝とされる。
輸送戦略センターによると、レニ港はロシアのウクライナ侵攻後も稼働を続ける数少ない港の1つで、2022年の貨物取扱量は前年比6.5倍となる680万トンに急増した。レニ港ではこれまで主に穀物、石油製品、化学品、肥料、金属などのバルク貨物が扱われてきたが、2022年12月にはコンテナターミナル「ビキング・アリアンス」が稼働した。ウクライナで唯一稼働しているコンテナターミナルとされ、稼働後1カ月で1,500本のコンテナを取り扱った。2023年2月にはエジプトからのかんきつ類受け入れも開始した。
(浅元薫哉)
代替ルートというのは、上記で言及しているコンスタンツァ・ドナウ運河(ドナウ・黒海運河)と、ライン・マイン・ドナウ運河の2つ、なんすかね。
アムステルダムからブカレストまで船で行ける
— Spica (@CasseCool) 2023年3月5日
北海と黒海を繋ぐライン・マイン・ドナウ運河
1992年、ドイツ南部バイエルン州に全長171kmの運河が完成したことで欧州半分を「島」にする夢が実現した。… pic.twitter.com/qHbLyAAZWV
この運河により、ヨーロッパを横断し、北海と黒海の水運が可能となった。
構想自体は8世紀からあったが、本格的な工事に着手したのは1921年。戦争による中断などがあり、1960年から両河川間の運河本体の開削工事が開始された。完成は1992年のことである。