少し前にこんな報道がありましたけどね。
2023年11月07日
日本郵船運航の船、フーシ派が紅海で乗っ取り－日本人乗船せず
Bloomberg、11/20(月) 0:14配信
（ブルームバーグ）： イスラエル政府は19日、紅海を航行していた貨物船がイエメンのイスラム教シーア派系武装組織フーシ派に乗っ取られたと発表した。捕まったのは日本郵船がチャーターした船で、乗組員に日本人はいない。フーシ派はイランが後ろ盾となっている。
イスラエル首相府によると、この貨物船は英企業が所有しているという。同首相府は、世界的な海上輸送ルートが危険にさらされたと指摘し、乗っ取りを非難した。
日本郵船は20日午前、ブルームバーグの問い合わせに対して、乗っ取られたのは同社がチャーターしていた自動車輸送船「ギャラクシー・リーダー」だと認めた。同社によると、乗組員の中に日本人はおらず、貨物もなかったという。周辺海域を通る船の今後の対応や拿捕された船を巡る対応方針は検討中だという。
フーシ派は、イスラエルとイスラム組織ハマスの紛争開始以来、イスラエルを攻撃すると表明し、同国を狙ったとみられるミサイル攻撃を仕掛けてきた。従来イスラエルとハマスの紛争の影響はイスラエル港湾で混雑が発生する程度だった。ただ交通量が多い紅海で輸送船の拿捕（だほ）が起きたことで、今後は各国のサプライチェーン（供給網）が影響を受ける可能性もある。
ブルームバーグ・インテリジェンスのアナリストであるケネス・ロー氏は「紅海は世界の海上貿易にとって重要なポイントとなっている」と指摘。紅海周辺の緊張が高まれば、一部あるいはほとんどの船会社が同地域を回避するかもしれないとの考えを述べた。
日本政府も対応に追われている。松野博一官房長官は同日午前の記者会見で、「政府としてこのような行為を断固非難する」とした上で、関係国と連携しながら船舶と船員の早期解放に向けた取り組みを進めていることを明らかにした。イスラエルとも意思疎通を図り、フーシ派への直接の働き掛けに加え、サウジやオマーン、イランなどにも協力を要請しているという。
西村康稔経済産業相は同日記者会見で、「他の海域にも波及する可能性を頭に置いておく」と述べたほか、紅海を通る航路が使えなくなった時には「供給網への影響や他の航路を含めて精査していきたい」とした。
事情に詳しい関係者は匿名で、乗っ取られた船はイスラエルの実業家、ラミ・ウンガル氏がオーナーとなっており、英国船籍だと述べた。ウンガル氏の携帯電話に連絡を試みたが返答はなかった。
フーシ派の報道官は、ハマスに対するイスラエルの軍事作戦が終了するまで同国の船舶を標的にし続けると述べ、その他の国に対しイスラエルの船舶に自国民を働かせないよう呼び掛けた。
イスラエル首相府は今回の乗っ取りについてイラン政府を非難した。イランは事件についてコメントしていない。
イスラエル政府は25人の乗組員にはウクライナ人、ブルガリア人、フィリピン人、メキシコ人が含まれていると明らかにした。イスラエル軍によれば、同船はトルコからインドに向かっていたという。
原題：Israel Says Iran-Backed Rebels Seize Cargo Ship in Red Sea (2)、Israel Says Yemen’s Houthi Rebels Hijack Cargo Ship in Red Sea（抜粋）
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