角会長が宝塚歌劇団の理事退任へ 阪急HD、遺族に謝罪の意向伝達
デイリー、2024.02.26
宝塚歌劇団(兵庫県宝塚市)の俳優の女性(25)が昨年9月に急死した問題で、歌劇団の親会社阪急阪神ホールディングス(HD)の角和夫会長が、歌劇団と養成機関「宝塚音楽学校」の両理事を退任する方向で調整していることが26日、関係者への取材で分かった。管理責任を取る形とみられる。
阪急側は、女性へのパワーハラスメントなどがあったことを認め、角氏が遺族側に直接謝罪する意向を既に伝達している。
音楽学校を巡っては昨年12月に角氏が理事長を退任し、理事となっていた。音楽学校理事長の後任は歌劇団の村上浩爾理事長が兼任している。
“宝塚のドン”退任へ 娘役転落死の管理責任を取り歌劇団と音楽学校理事を29日付で
スポーツ報知、2024年2月27日 5時0分
宝塚歌劇団(兵庫県宝塚市)の宙組娘役・Aさん(享年25)が昨年9月に転落死した問題で、親会社・阪急阪神ホールディングス(HD)の角和夫会長(74)が、歌劇団と、タカラジェンヌを育成する宝塚音楽学校の両理事を29日付で退任することが26日、分かった。角氏は2014年3月から歌劇団の理事を務め、音楽学校は10年4月に理事長に就任しており、管理責任を取ったとみられる。
歌劇団側は昨年11月に弁護士による調査報告書を公表。長時間の活動などによる強い心理的負荷を認めた一方、いじめやハラスメントは「確認できなかった」としていた。遺族側の反発を受けた阪急側はその後の内部調査の結果、パワハラを認める方向に方針転換していた。角氏が遺族側に直接謝罪する意向を既に伝達している。
角氏は地元・宝塚出身。阪急阪神HD会長として財界にも顔が利く“宝塚のドン”として劇団を先導してきた。歌劇団ファンの母の影響を受け、“乙女の園”の運営に尽力。07年には花組トップスター・春野寿美礼の退団のためにオリジナル曲「こんなにも愛されて」を自ら作詞・作曲して提供したこともある。
音楽学校では3月1日に第110期生の卒業式が開かれ、4月には第112期生の入学式が開かれる。角氏は例年、理事長として祝辞を述べていた。20年の音楽学校卒業式では、25年の大阪・関西万博を盛り上げるべく「海外の方にも宝塚の良さを知っていただきたい」とスピーチしていた。
宝塚音楽学校については昨年12月、理事長を辞任。理事となり、歌劇団の村上浩爾理事長(56)が引き継いでいた。2月内の理事退任で、未来のタカラジェンヌを預かる立場として、一連のけじめを付ける形になった。
一方、6月には阪急阪神HDの株主総会が実施され、引き続き角氏が議長を務めるとみられる。昨年はプロ野球・阪神の話題もさばいた。出演者の体調不良で休止が続いた歌劇団については代役による上演に言及した。歌劇団はAさんの件を受け、公演数削減など改革を始めたばかり。今年は歌劇団の姿勢への株主の厳しい追及は必至で、退任による“責任逃れ”の見方も出そうだ。