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海外メディアも注目した最大規模の日米共同演習「キーン・ソード」 離島の「拠点化」を国内外に強くアピール

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海外メディアも注目した最大規模の日米共同演習「キーン・ソード」 離島の「拠点化」を国内外に強くアピール

 2022/11/21 08:28

 自衛隊と米軍の最大規模の実動演習「キーン・ソード」は19日、10日間の日程を終えた。鹿児島県の奄美大島や徳之島を中心に実戦的な訓練を展開。日米の軍事的な一体化に加え、離島の「足場固め」を強く印象づけた。軍備を拡大する中国を念頭にした訓練に、同国をはじめ海外メディアも注目した。

 「挑発的な勢力を抑止するための訓練をしている」。14日、南西諸島沖に展開した護衛艦「いずも」艦内で会見した在日米軍トップは強調した。海自鹿屋航空基地(鹿屋市)にも立ち寄り、海洋進出を強める中国への警戒感をにじませた。

 陸自ミサイル部隊がある奄美大島には8月の共同訓練に続き、米軍の高機動ロケット砲システム「ハイマース」を搬入。ミサイルや電子戦など「多領域」を担う米陸軍部隊が再来した。

 米太平洋陸軍トップは前回訪問時、奄美への展開について「画期的な深化」「高いレベルに引き上げたい」と発言。今回の部隊再展開は「要所」としての位置づけが一層鮮明になった。

 大規模演習は基地のない徳之島にも拡大した。南西諸島で初めて日米の輸送機オスプレイや艦艇が連携し、海や空から部隊が展開。米海兵隊は有事の際、島々に分散して拠点をつくる遠征前方基地作戦(EABO)を進めており、利点や課題を点検したとみられる。

 奄美大島から沖縄の米軍基地に負傷者を運び、遠征用の簡易施設で治療する訓練のほか、台湾から約110キロの距離にある沖縄県与那国島に機動戦闘車を空輸する流れも確認した。

 「日本が防衛費の増大を進めようとする中、刺激的な内容だった」。徳之島での演習や住民などを取材した香港フェニックステレビの李(り)・ミャオ東京支局長は話す。

 中国の軍事増強については「大きく経済成長し、国民は軍にも自信を持っている」と説明。「日本に侵略された歴史認識があるだけに、米軍と一体化することを複雑な思いで注目している」とけん制した。

 豪州公共放送ABCのジェームズ・オーテン東京支局長は「戦略的パートナーとして日本の防衛への関心は高い。中国にどう向き合うか、避けられない課題の行方を見たい」と話した。

 徳之島では2010年に米軍普天間飛行場沖縄県宜野湾市)の移設案が浮上し、1万5000人(主催者発表)の反対集会などで計画を頓挫させた。だが、島で初めて米軍が参加した今回の演習で、かつてほどの反対運動はなかった。

 当時反対した40代の役場職員は「基地移設と訓練では全く違う。今は中国の方がずっと不気味で、米軍を頼もしいとすら感じる」。演習に反対した女性(65)は「今の自衛隊は米軍とセットだ。じわじわと静かな島が変わっていて怖い」と訴えた。