米空軍のCV22オスプレイが横田基地(東京都福生市など)に配備される。CV22は特殊部隊を最前線に輸送するのが主な任務だ。首都東京が出撃拠点化し、周辺空域で危険な低空飛行訓練が実施される可能性もある。
CV22配備に関する米側の「環境レビュー」などによると、日本国内では「H訓練区域」と呼ばれる空域での飛行や、三沢対地射爆撃場(青森県)、東富士演習場(静岡県)、沖縄県で訓練を行う見通しだ。H訓練区域の範囲は福島、栃木、群馬、長野、新潟の各県が関係する。
「横田は米国の権益と同盟国を脅かす勢力を排除するハブ(拠点)となる」。在日米軍関係者はCV22の配備をこう表現した。CV22は急襲作戦で兵士を敵の背後に隠密に運び、収容する役目を担う。作戦は夜間か未明に実行されるため、レーダーに探知されずに暗夜高速で低空飛行できる装置が搭載されている。
輸送対象となる部隊は「グリーンベレー」の名称で知られる在沖縄米陸軍特殊部隊から、在韓米軍、グアム・ハワイに駐留する特殊部隊まで広範囲に及ぶ。自衛隊関係者は「米政府が対北朝鮮作戦を決断した際に特殊部隊が即応できるようにする前線配備の一環ではないか」と推測する。
CV22の運用は、先に沖縄に配備された海兵隊のオスプレイに関する日米合同委員会の合意を順守するとされている。合意では低空飛行訓練について、地上から150メートル以上の高度で飛行し、人口密集地域などの上空を避けることになっている。しかし、あくまでも原則で、天候条件などの理由で150メートル以下の高度を飛行する可能性もある。(2018/04/03-19:44)