明治神宮外苑再開発で7月に住民説明会 三井不動産「計画変えることはない」 樹木の伐採開始は開催後
2023年6月30日 22時20分
東京・明治神宮外苑の再開発を巡り、事業者は30日、住民説明会を7月17〜19日に開くと発表した。説明会終了後、再開発地区内の高さ3メートル以上の高木を伐採する意向も示した。説明会に参加できない人向けに、事業者のホームページに17日正午から質問の受け付けコーナーを設け、内容ごとにまとめて順次回答する。
事業者は東京都条例に基づく住民説明会を6回開いており、着工後は初めて。事業者グループの一つの三井不動産広報部は「計画を直接説明して理解をいただくために開く。説明会後に計画を変えることはない」とした。
説明会の対象は再開発の敷地から約380メートル以内に住む人や事務所のある法人。参加には、それぞれの住宅や事務所に投函された案内状が必要になる。
住民説明会の開催に、小池百合子都知事は30日の定例会見で「事業者には都民の理解や共感を得て事業を進めてほしいと要請している。しっかり説明してほしい」と求めた。(川上義則)
◆説明会の対象限定などに抗議の声
事業者が7月に住民説明会を開くと発表したことを受け、説明会の開催を要望していた住民グループは、「求めてきた形とは大きく異なる」とする抗議文を公表した。参加対象者を制限する点などを問題視し、改善を求めている。
グループは、外苑周辺の子育て世帯らでつくる「明治神宮外苑を子どもたちの未来につなぐ有志の会」。着工目前になっても地元では計画について知らない人も多く、十分な住民説明が行われていないとして、2月以降、参加対象や開催時間を制限しない対話型の説明会を求めていた。
抗議文では、国民の献金や勤労奉仕で創建された外苑の歴史などを踏まえ、計画には、多くの人の意見が盛り込まれるべきだと指摘。「一方的な情報発信ではなく対話の場を設けてほしい」と訴えた。
事業者はこれまでに開いた説明会でも対象を制限してきた。今回も制限することについて「懸念や疑問に丁寧に説明するため」としている。
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