TOKIO山口達也さんが不起訴になりました。
これでマスメディアは一安心して「さん」付けで呼ぶことが出来ます。

今まで「メンバー」というちょっと面白い呼び方に違和感を感じた方は多いでしょう。
もうずいぶん懐かしい話になりますが「メンバー」呼称の由来をお話しておきます。

これ、最初は稲垣吾郎さんの一件からなんです。
稲垣さんは警察に職質されて、ちょっと動揺されてしまったんでしょうね。
一応は逮捕されちゃいました。
その後すぐに釈放はされるんですが、当然、逮捕されているので「容疑者」と「一瞬は」僕たちも読んだんですよね。

で、それに激怒したのが飯島さんという女性マネージャーさんで「SMAPの担当」として非常に強い力と影響力を持っていた方でした。

徹底的に怒ってきて、僕たちがどれだけ「そう呼ぶことに決まってるんですよ…」と説明しても取り付くシマがない。彼女はSMAPのマネージャーとしてだけではなく、香取さんや草なぎさんらが出演していた「いいとも」を通じて、バーニングの周防さんやタモリさんの事務所の田辺さんととても親しかったので、そこからも圧力をかけてきてどうしようもなくなっちゃいました。
さらには
「もうSMAPを「SMAP×SMAP」に出させない!」
と言ってきたんです。

これには参りました。
僕ら現場の…しかもアナウンサーチームは画面で皆さんに非難される最前線にいたのですが「容疑者」という呼び方がイメージが悪いことも理解できましたし、そもそも我々フジのスタッフはSMAPの皆さんのことが好きでした。なので、最初に

「じゃあ、釈放されるんだし『さん』づけでいいじゃないですか」

って提案をしたのです。
しかし、今度はそれに怒ったのが報道局の面々でした。「ほかの容疑者みんなをそう呼んでいるにもかかわらず、芸能人の人気者だけそんな呼び方出来ない!」

それも理解できるところでした。

結局、超法規的措置というか、テレビ局の一番上の方々の会議室の中の調整により
「メンバー」
と呼ぼう、理由としては「いちおう釈放されているから」という事で収まりました。

これにはさすがに我々アナウンス室から心配の声が上がりました。
はっきり言って『忖度』くらい、普段から世話になってるんだから問題ありませんでした。
でも…
そう…
単純に…

「いや、それって逆効果じゃね?」

という助言だけはさせて頂きました。
これはフジのアナウンス室、みんなで言いました。さすがに違和感があったので。逆にカッコ悪いですよ、と。「さん」付けでいいじゃん、と。

でも、僕が説明を受けたのは当時のとくダネ!のプロデューサーでしたけれど、
「もう決まったことだから」
という事で、僕たちはみんな
「メンバー」
というちょっと面白いほどカッコ悪い呼称をするようになったんです。今、テレビの前で若いアナウンサーたちが必死になって「いい訳」してるでしょ?あれ、全部言わされているんです。
可哀想だな~懐かしいな~~~(苦笑)。僕もやってたな~~~(泣笑)。

時が流れて、それが結局、延々とはびこり、今では今回の山口さんのように
「メンバー」
であったり、他には「島田紳助司会者」や「小泉今日子タレント」とかまで言うようになってカオスになってきているって話なんです。紳助さんは吉本さん、小泉さんはバーニングの周防さんへの気遣いですね。周防さん、小泉今日子さん大好きだから。

当たり前ですけれど、不起訴処分になれば「さん」付けです。
そして、それまでは「被疑者」というのが正確な呼び方なんですけれど、テレビでは統一して「容疑者」です。

今回の一件はこちらのコラムの方も書かれていますが、「容疑者」と呼ぶのが普通です。それが嫌なら不起訴処分になることは容易に想像できるので「さん」でいいかと思います。

僕は内部にいたので、別にそんなに違和感を感じませんが、それだけ『忖度』に『忖度』を重ねてきたテレビ局が、安倍政権の『忖度』だけをことさらに叩いていることに違和感を感じます。

ま、こうなったらアレですよ。

徹底的に…